市の憲章に並ぶ Cagliari と Casteddu
カリアリの旧市街では、サン・レミの堡塁の大階段がカステッロ地区とヴィッラノーヴァ地区を結んでいます。丘の上の地区を地図で探すと Castello。市の憲章を開くと、よく似た Casteddu が市そのもののサルデーニャ語名として出てきます。
歴史表記
イタリア文化省の公文書館情報システムは、カステッロ地区の中世の自治規程を Breve Castelli Castri de Kallari と紹介しています。Kallari はここで規程名に見える綴りです。規程の原本画像は未確認です。現在の市憲章の前文は Cagliari に Casteddu in sardo と添えています。日本語の歴史的な漢字表記は原典未確認です。
日本語での用例
厚生労働省が2024年に公表したG7労働雇用大臣会合の出張日程に「イタリア共和国(カリアリ)着」とあります。本誌はこのカタカナ表記を用います。
中国語圏その他の表記との比較
サルデーニャ自治州の観光サイトの中国語版では、ローマ時代の遺跡を扱うページから現在の市の案内へ「Cagliari卡利亚里」とリンクしています。四字が指す先を原綴りと照合できます。
二文字・三文字案の比較
利里
中と末尾の字を残す二字案です。語頭の「カ」に当たる手掛かりが消えます。
卡利里
三字に詰める案です。亞の簡体字に当たる「亚」を省くと、州の案内にある綴りとの対応が見えにくくなります。
卡利亞里
州の案内の「卡利亚里」を土台に、四字と順序を保って亚だけを亞へ調整した採用案です。末字の里は音写字として保ち、日本語の読みはカタカナで添えます。
万国漢字志の暫定案
現代日本語都市名
カリアリ(Cagliari)
所属国
イタリア
暫定制定都市名
卡利亞里――改
制定状態
暫定制定・原典継続調査
「改」は、現代の用例「卡利亚里」を土台に、亚→亞と採用字形を本誌が調整したことを示します。出典の引用には元の字形を残します。日本語の伝統的な漢字表記として認定するものではなく、「カリアリ」の読みを添えます。亚に対しては日本の字体の亜もありますが、本誌では既刊の亞を用いる表記との整合から、繁体字の亞を意識的に選びます。出典が亞を使っているという意味でも、別地域での使用例を新たに確認したという意味でもありません。
ISTATの2024年人口収支確定表で、2024年12月31日末の国勢調査調整後の住民人口は146,692人です。2025年1月1日初に相当し、自治体コード092009のコムーネ全域を集計しています。同名の大都市圏自治体が管轄する周辺のコムーネは集計の範囲外です。
採らなかった表記と未解決点
利里と卡利里は比較にとどめます。Kallari の原本での綴りと日本語の歴史的な漢字用例は、引き続き原資料で調べます。
参考資料
- カリアリ市「Statuto del Comune di Cagliari」。印刷1頁、Preambolo 冒頭。
- カリアリ市観光局「Quartiere Castello」。本文、地区内の建築一覧。
- イタリア文化省 SIUSA「Comune di Cagliari」。自治体沿革(検索抽出。中世規程の原本画像は未確認)。
- 厚生労働省「武見厚生労働大臣の海外出張について」。出張日程、2024年9月11日。
- サルデーニャ自治州 SardegnaTurismo 中国語版「Karales - La Cagliari romana」。本文後の市案内リンク(抽出165行)。
- イタリア下院「Costituzione」。第114条第3項。
- ISTAT「Bilancio demografico e popolazione residente」2024年確定自治体表。P2_2024_it_Comuni.csv、1030行、自治体コード092009、Popolazione censita al 31 dicembre - Totale欄。
- GeoNames:Cagliari。保存済み都市索引の代表点。
編纂綱領と公式サイト
本稿は万国漢字志 編纂綱領に基づいて調査・選定しています。 都市一覧は 万国漢字志 公式サイト で公開します。
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