城壁を広げた街を「費拉拉」と書く
フェラーラの城壁の内側には、中世の市街地と、ルネサンス期に広げられた街区が収まっています。イタリア文化省の案内は、ビアージョ・ロセッティが15世紀末に設計した市街拡張 Addizione Erculea を取り上げています。街路や広場の配置にも遠近法の考え方が取り入れられました。
歴史表記
UNESCOの世界遺産名録は、ロセッティによる街区の整備が1492年に始まったと説明しています。1999年の世界遺産委員会決議には、ポー川デルタへの登録範囲の拡大に伴い、登録名に Ferrara とそのデルタを併記した経緯が残ります。この決議で確認できる Ferrara は登録名の綴りです。市名の初出と、日本語の歴史的な漢字表記は原典未確認です。
日本語での用例
国土交通政策研究所の『国土交通政策研究所報』第56号は、市内の催しを「フェラーラ・パリオ(Palio di Ferrara)」と紹介し、続く節で「フェラーラ市」の公共空間利用を扱っています。
中国語圏その他の表記との比較
UNESCO世界遺産センターの中国語版は、登録名の中で「费拉拉城」、説明文の冒頭で「费拉拉」と記します。英語の見出しの Ferrara と対照でき、ポー川デルタを含む登録名から都市名に当たる三字を取り出せます。
二文字・三文字案の比較
费拉
末尾の一字を省く二字案です。カタカナ表記の後半にあるラ行音の繰り返しが字面から消えます。
費拉拉
最初の费を日本語でも用いる費へ調整した三字を本誌は採ります。世界遺産センターの中国語ページの引用は「费拉拉」のまま残します。繁体字版での掲載を新たに確認したという意味ではありません。
费拉拉
登録名と都市の説明に見える引用字形です。本誌の採用形「費拉拉」と区別します。「拉」が二つ続くので Ferrara の後半と照らし合わせやすくなります。
万国漢字志の暫定案
現代日本語都市名
フェラーラ(Ferrara)
所属国
イタリア
暫定制定都市名
費拉拉――改
制定状態
暫定制定・原典継続調査
「改」は、現代の用例「费拉拉」を土台に、费→費と採用字形を本誌が調整したことを示します。出典の引用には元の字形を残します。日本語の伝統的な漢字表記として認定するものではなく、「フェラーラ」の読みを添えます。
ISTATの2024年人口収支確定表で、2024年12月31日末の国勢調査調整後の住民人口は129,081人です。2025年1月1日初に相当し、自治体コード038008のコムーネ全域を集計しています。市の条例が定める自治体の範囲には中心市街地の外も含まれます。世界遺産の登録範囲とは別の集計単位です。
採らなかった表記と未解決点
费拉は比較にとどめ、費拉拉を本誌の字形調整案として採ります。市名の初出と日本語での歴史的な漢字用例は、引き続き原資料で調べます。
参考資料
- フェラーラ市「Statuto del Comune di Ferrara」。2019年版、第2条第1項、PDF 6頁(抽出203–209行)。
- イタリア文化省「Ferrara, citta del Rinascimento e il delta del Po」。本文、城壁と Addizione Erculea(抽出12–14行)。
- UNESCO世界遺産委員会「Decision 23 COM VIII.C.2」。1999年、拡張承認と登録名変更(抽出77–93行)。
- 国土交通政策研究所『国土交通政策研究所報』第56号。⑤ フェラーラ・パリオと (b) その他の公共空間の占用(抽出3717–3726行)。
- UNESCO世界遺産センター中国語版、登録番号733bis。英語および中国語の見出しと説明(抽出49–65行)。
- イタリア下院「Costituzione」。第114条第3項。
- ISTAT「Bilancio demografico e popolazione residente」2024年確定自治体表。P2_2024_it_Comuni.csv、2694行、自治体コード038008、Popolazione censita al 31 dicembre - Totale欄。
- GeoNames:Ferrara。保存済み都市索引の代表点。
編纂綱領と公式サイト
本稿は万国漢字志 編纂綱領に基づいて調査・選定しています。 都市一覧は 万国漢字志 公式サイト で公開します。
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