万国漢字志

都市篇 · コートジボワール

万国漢字志 都市篇 第七十一号|コロゴ――三字「科霍戈」と「遺産」の町

コロゴはコートジボワール北部、サヴァンヌ自治区とポロ州の中心都市。2021年国勢調査によるKORHOGO(Chef-lieu)の人口は440,926人。

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三字「科霍戈」と「遺産」の町

都市篇第七十一号は、コートジボワール北部の都市コロゴです。

日本国外務省と国際協力機構は、この都市をコロゴと記します。漢字表記には、中国外交部が都市へ直接用いる三字の科霍戈を、今回の暫定制定都市名に採ります。

コートジボワール大統領府によれば、Korhogoという名はセヌフォ語で「遺産」を意味します。同府は、町が18世紀に首長Nanguin Soroによって創設されたという伝承も紹介します。ただし、この人物がKorhogoという名称を考案したことまでは確認できません。


日本語では「コロゴ」

日本国外務省の海外安全情報は、コートジボワール北部の都市としてコロゴを挙げています。国際協力機構の司法アクセス調査も、北部の調査地をコロゴと記します。

このため、本稿の現代日本語都市名はコロゴとします。フランス語の綴りはKorhogoです。

国立国会図書館サーチと国立国会図書館デジタルコレクションでは、コロゴ、コルホゴ、Korhogo、科霍戈などを照合しました。今回確認できた日本語資料はカタカナ表記を用いており、この都市へ直接使われた日本語の歴史的漢字表記は特定に至りませんでした。

本文検索できない地図や別の音写には、まだ用例が残っている可能性があります。現段階では推測を加えず、本誌の歴史表記欄を空欄として継続調査します。


中国外交部の「科霍戈」

中華人民共和国外交部は2018年、コートジボワール、マリ、ブルキナファソの三国が進める経済特区構想を紹介し、対象都市の一つを科霍戈と記しました。

台湾の客家委員会が公開する資料にも、象牙海岸の都市Korhogoへ科霍戈を直接使った用例があります。科・霍・戈はいずれも簡体字と繁体字で同じ字形です。そのため、字体変換を行わず、確認した三字をそのまま保存できます。

科霍戈は自動翻訳で作った文字列ではなく、中国語圏の公的資料が対象都市へ直接用いる音写です。一方、日本語で歴史的に定着した漢字名であることは確認できていません。


三字をそのまま採る

都市篇では二字・三字を主流とします。科霍戈は三字で収まり、コロゴという都市への公的な直接用例があります。

今回は、さらに一字や二字へ縮めません。どの音を省き、どの字を残すかを裏付ける直接用例がないためです。

また、科・霍・戈それぞれの字義を都市の性格や由来へ結び付けません。この三字はKorhogoの音を写す表記として扱います。


名はセヌフォ語で「遺産」

コートジボワール大統領府は、Korhogoの名をセヌフォ語で**「遺産」**と説明します。都市を、セヌフォ社会の中心であり、儀礼、舞踊、工芸で知られる場所として紹介しています。

この説明は、科霍戈の漢字一字ずつの意味とは関係しません。現地名Korhogoの語義と、中国語音写科霍戈の字面を混同しないことが重要です。

大統領府は、セヌフォの人々が良い土地を求めてニジェール川内陸デルタから移り、この地域へ一千年紀ごろ到達したという説明も載せています。都市の歴史を一つの漢字解釈へ還元せず、地域社会の時間軸を別に記録します。


創設者伝承はNanguin Soro

同じ大統領府の資料では、コロゴは18世紀、マンデ系のコング王国から追われた部族首長Nanguin Soroによって創設されたと伝えられています。その後、セヌフォの一集団Kiembamの中心、重要な首長国の所在地になったとされます。

ここで確認できるのは、都市創設に関する公的な紹介です。Nanguin SoroがKorhogoという名称を考案した、または科霍戈の漢字を選んだという資料ではありません。

創設者、都市名の命名者、漢字表記の選定者は別の役割です。本誌では、Nanguin Soroを都市名や漢字表記の命名者とはせず、創設者伝承に現れる人物として記録します。


北部の行政・文化・農業拠点

コロゴはサヴァンヌ自治区の中心であり、ポロ州の州都です。コートジボワール大統領府は、同市を北部最大の都市、セヌフォ地域の中核として位置付けています。

同府によれば、地域の主要産業は農業で、とくに綿花が輸出作物として重要です。コートジボワール政府の経済情報ポータルは、コロゴを農業を軸とする主要経済接続都市とし、綿花に加えて牛・羊、シア、マンゴー、サトウキビ、米の生産を挙げています。

国際協力機構の調査では、首都圏や第二都市とは別の北部調査地としてコロゴが選ばれています。北部社会を理解するうえで、行政だけでなく司法、農業、文化の接点となる都市です。


国連地名データの代表座標

国連地名専門家グループの都市データは、Korhogoの代表座標を北緯9.46131280342745度、西経5.63016133612192度としています。

本誌の地図にはこの値を用います。これは都市を示す代表点であり、市域の重心、行政境界から計算した中心点、特定の庁舎の位置を示す値ではありません。

同データはKorhogoを国の首都として登録していません。コートジボワールの法定首都はヤムスクロであるため、本誌の首都欄も「いいえ」とします。


Chef-lieu人口は440,926人

コートジボワール政府の経済情報ポータルは、国家統計庁の2021年人口・住宅国勢調査を出典として、KORHOGO(Chef-lieu)を440,926人と集計しています。内訳は男性225,190人、女性215,736人です。

同じ表には、より広いコロゴ県の人口として748,393人、ポロ州全体として1,040,461人が載ります。都市中心、県、州は別の集計範囲です。

本誌の一覧には、県や州の総人口ではなく、表でKORHOGO(Chef-lieu)と区別された440,926人を載せます。表示区分は自治体相当とし、より狭い市街地だけを数えた値とは断定しません。


万国漢字志への取り込み

暫定制定都市名には、三字の科霍戈を採ります。制定区分は創です。

根拠は、中国外交部と台湾客家委員会の資料が都市Korhogoへ直接用いる科霍戈です。すでに中国語圏で使われる表記を、日本語の都市索引へ新たに取り込む形になります。

日本語の歴史的漢字表記を継承する「史」や、現代日本語で定着した漢字名を示す「既」にはしません。また、現地名の語義「遺産」を漢字の意味へ翻訳した表記でもありません。

都市の創設者伝承にはNanguin Soroが現れますが、Korhogoという都市名の命名者と、科霍戈の漢字選定者はいずれも未確定です。


万国漢字志の暫定案

現代日本語都市名

コロゴ

中国語圏の公的用例

科霍戈

暫定制定都市名

科霍戈――創

制定状態

暫定制定・日本語漢字原典、都市名と漢字表記の選定者を継続調査


採らなかった表記と未解決点

コルホゴは外務省の事業資料にある地図などで見られる異表記ですが、本稿では現在の外務省海外安全情報とJICA調査が用いるコロゴを現代日本語名とします。異表記を誤記と断定するものではありません。

科霍戈を一字・二字へ縮めた形は採りません。短縮形の直接用例が確認できず、機械的に字を落とす根拠がないためです。

未解決点は、日本語の歴史的漢字表記、Korhogoという都市名が成立した時期と命名者、科霍戈の初出と漢字選定者、創設年代をめぐる異説です。大統領府が紹介する18世紀のNanguin Soro創設説は公的な伝承として記録し、確定年や命名行為へ広げて解釈しません。


参考資料


編纂綱領と公式サイト

本稿は万国漢字志 編纂綱領に基づいて調査・選定しています。

都市一覧は万国漢字志 公式サイトで公開します。


次回予告|都市篇 第七十二号

次は、ダロアです。

コロゴから西南へ移り、コートジボワール西部の交通・農産物流通拠点と、その漢字表記を調べます。