万国漢字志

都市篇 · スペイン

万国漢字志 都市篇 第三百七十号|レガネス――隣り合う自治体と漢字のかたち――

隣接自治体と異なる校区名を手がかりに、莱加内斯の字形を考える。


隣町と分けて数える

レガネスとヘタフェは、マドリードに近い別々の自治体です。都市圏として一続きに眺めることはできても、それぞれの人口を数えるときは行政上の単位を分けなければなりません。

同じ大学が両市に持つ校区の案内には、中国語の都市名が並びます。その文字と地名の歴史を、資料ごとに読んでみます。


歴史表記

1977年の王令2285号は、Getafe、Leganés、Alcorcónという名の三つの土地登記所を設け、それぞれの所在地を定めました。これは当時の官報に載る行政文書そのものです。登記所の管轄を扱う資料であり、現在の自治体の境界や名称の起源を直接証明するものではありません。

日本語の歴史的な漢字表記については、原典を確認できていません。現代の漢字用例を古い時代に遡らせることはしません。


日本語での用例

在スペイン日本大使館の2020年の案内は、規制対象として「レガネス市」と「ヘタフェ市」を別々に列挙しています。本誌はこの日本語名を採ります。


中国語圏その他の表記との比較

大学自身の中国語案内は「莱加内斯校区(Campus de Leganés)」と記します。キャンパスの所在地名として使われた現代の用例です。大学は同じ箇所でヘタフェ校区も別に挙げています。

原文の「莱」を日本語でも用いる「萊」に替え、「萊加内斯」とします。内は日本語の字形をそのまま用い、原文の「内」を引用でも保持します。出典の表記と異なるため区分は「改」です。


二文字・三文字案の比較

二字の「萊斯」は最初と最後を残しますが、中間の音を失います。三字の「萊加斯」も「内」を省きます。いずれも本誌が比較用に作った形で、既存の略称として確認していません。四字案は原文との対応を保つため例外的に選びます。通常の日本語音読みだけでレガネスとは読めず、カナを添えます。


万国漢字志の暫定案

現代日本語都市名

レガネス(Leganés)

所属国

スペイン

暫定制定都市名

萊加内斯――改

制定状態

暫定制定・原典継続調査

INE年次センサス表68065の2025年1月1日の通常居住者は195,946人です。コード28074の municipio 全域であり、市街地や大学校区だけの人口でも、マドリード都市圏全体の人口でもありません。

レガネス市の騒音地図の説明は、東にヘタフェとマドリードが接すると記します。INEでもマドリード28079、レガネス28074、ヘタフェ28065は別の自治体行です。市街地が近接していても、これらを一つの市や内包地区として重ねて数えません。独立した境界ポリゴンの版は確認していません。


採らなかった表記と未解決点

歴史的な日本語漢字表記、漢字の初出・命名者は原典未確認です。字形を調整した採用名と同じ四字の直接用例も今回確認していません。フィリピンの同名自治体や、バダホス県の Valverde de Leganés と混同しないよう、国とINEコードを添えます。


参考資料


編纂綱領と公式サイト

本稿は万国漢字志 編纂綱領に基づいて調査・選定しています。 都市一覧は 万国漢字志 公式サイト で公開します。


次回予告|都市篇

次号はヘタフェを取り上げます。