万国漢字志

都市篇 · イタリア

万国漢字志 都市篇 第三百十九号|リヴォルノ――港の名を「里窩那」でたどる――

港湾資料の「里窝那」を手掛かりに、Livornoと英語の別名Leghornを照合する。採用名は字形を調整した「里窩那」(改)とする。


港の名を「里窩那」でたどる

ティレニア海に面したトスカーナの港を、北ティレニア海港湾当局は Porto di Livorno と案内しています。ところが、米国議会図書館で1918年の写真を探すと、同じ土地が Leghorn の名で現れます。港の名前を引くには、読む資料に合わせて綴りを替えることがあります。


歴史表記

米国赤十字の学校と公園の開設を記録した1918年の写真には、米国議会図書館の目録で Leghorn を含む題名が付き、撮影地は Livorno と整理されています。リヴォルノ市の現行の条例掲載ページでは自治体名は Comune di Livorno です。写真の目録で確認できるのは英語の別名の用例です。日本語の歴史的な漢字表記は原典画像未確認です。


日本語での用例

日本オリンピック委員会の海外研修報告書で、バレーボール指導者の山村宏太は研修地を「イタリア トスカーニャ州 リヴォルノ」と記しています。同じ欄に並ぶ受入先のチーム名には Livorno が入っています。


中国語圏その他の表記との比較

『低碳航运中国:综述与展望』の航路表では、中国―欧州の行に並ぶ寄港地の一つが「里窝那(Livorno,意大利)」です。表の対象は港で、Livorno との併記が港の所在都市を照合する手掛かりになります。


二文字・三文字案の比較

里那

中の窝を省く二字案です。里と那だけでは中ほどの「ヴォル」を拾う手掛かりがなく、航路表の用字からも離れます。

里窩那

窝を日本語でも用いる窩へ調整する三字案です。本誌は「里窩那」を採ります。里は音写の「リ」の手掛かりとして保ちます。引用した航路表の字形は「里窝那」であり、他地域の繁体字用例を新たに確認したという意味ではありません。

里窝那

航路表の引用字形は「里窝那」です。引用はこのまま残し、本誌の採用形「里窩那」と区別します。窩と那の字面から「ヴォルノ」を導くのは難しく、読みと原綴を添えます。


万国漢字志の暫定案

現代日本語都市名

リヴォルノ(Livorno)

所属国

イタリア

暫定制定都市名

里窩那――改

制定状態

暫定制定・原典継続調査

「改」は、現代の用例「里窝那」を土台に、窝→窩と採用字形を本誌が調整したことを示します。出典の引用には元の字形を残します。日本語の伝統的な漢字表記として認定するものではなく、「リヴォルノ」の読みを添えます。

ISTATの2024年人口収支確定表によると、2024年12月31日末の国勢調査調整後の住民人口は153,154人です。2025年1月1日初に相当し、自治体コード049009のコムーネ全域を対象とします。同じ表の Livorno Ferraris(002071)は別の自治体です。


採らなかった表記と未解決点

里那は比較案にとどめ、里窩那を本誌の字形調整案として採ります。航路表は現代の港名用例であり、日本語での旧表記や、Leghorn の成立時期を調べるには別の資料が必要です。


参考資料


編纂綱領と公式サイト

本稿は万国漢字志 編纂綱領に基づいて調査・選定しています。 都市一覧は 万国漢字志 公式サイト で公開します。


次回予告|都市篇 第三百二十号

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