万国漢字志

都市篇 · イタリア

万国漢字志 都市篇 第三百二十号|リミニ――マレッキア川の街を「里米尼」と書く――

市の条例に残る古名Ariminumと、現代の展覧会資料の「里米尼」を照合する。


マレッキア川の街を「里米尼」と書く

リミニのティベリウス橋は、マレッキア川を渡って旧市街とサン・ジュリアーノ地区を結びます。市の案内で川の古名を引くと Ariminus。市の条例に載るローマ時代の都市名 Ariminum とは、末尾の一字が違います。


歴史表記

市条例の前置きにある「Il nome」は、古い川の名 Ariminus に都市名 Ariminum を結び付け、Arimino、Rimino を経て Rimini になったと説明しています。第2条にも、現在の街が古代の Ariminum の遺構の上に成立したとあります。ここでは市が示す沿革を紹介します。日本語の歴史的な漢字表記は原典画像未確認です。


日本語での用例

日本政府観光局の2022年旅行見本市の共同出展募集は、開催場所を「リミニ、Rimini Fiera エキスポセンター」と記しています。リミニが会場名の Rimini に対応する用例です。


中国語圏その他の表記との比較

上海市国際展覧(集団)の2024年展覧会計画表では、環境関連の見本市 Ecomondo の開催地を「意大利里米尼」「Rimini, Italy」と併記しています。里米尼はこの出展資料で確認できる現代中国語の用字です。


二文字・三文字案の比較

里尼

米を省く二字案です。里と尼だけでは「ミ」に対応する手掛かりが消えます。

里美尼

中の米を美に替える三字案です。美には「ミ」の字音がありますが、展覧会資料との照合には米を残した方が容易です。

里米尼

展覧会資料の字形を保つ三字案です。里に「リ」、尼に「ニ」を見いだせますが、米には「ベイ」や「マイ」という読みもあり、三字を見ただけで「リミニ」と読めるとは限りません。


万国漢字志の暫定案

現代日本語都市名

リミニ(Rimini)

所属国

イタリア

暫定制定都市名

里米尼――既

制定状態

暫定制定・原典継続調査

「既」は既存用例の字形を採ったことを示す本誌の分類です。本誌では「リミニ」と読みを添えます。

ISTATの2024年人口収支確定表によると、2024年12月31日末の国勢調査調整後の住民人口は150,333人です。2025年1月1日初に相当し、自治体コード099014のコムーネ全域を対象とします。同名の県や周辺の自治体を含む都市圏の人口とは区別します。


採らなかった表記と未解決点

里尼と里美尼は比較案にとどめます。里米尼の日本語での歴史的用例と、古い地名形の初出は引き続き原資料で確認する必要があります。


参考資料


編纂綱領と公式サイト

本稿は万国漢字志 編纂綱領に基づいて調査・選定しています。 都市一覧は 万国漢字志 公式サイト で公開します。


次回予告|都市篇 第三百二十一号

人口選定資料の次の掲載順はカリアリです。